制約充足、探索、列挙、最適化は、人工知能分野の様々な課題においてよい「答え」を探すために利用される汎用的かつ強力な技術です。昨年の第134回研究会に続き、本シンポジウムではこれらの技術を現実の問題に適用し、よい「答え」を見つけることに取り組まれている4名の専門家の方々をお招きします。マルチエージェント経路計画、混合整数最適化、制約付きマッチング、物流のための数理最適化といったテーマについて、最新の研究動向と社会実装の事例をご講演いただきます。また、総合討議では、各分野に共通する課題や今後の研究の方向性について議論します。これらの分野の動向に興味のある研究者にとっても、実務での課題に対する「答え」を見つける技術・ツールを探している方にとっても有益な内容だと思いますので、どうぞお気軽にご参加ください。
2026年12月3日(木) 10:00 ~ 18:30
慶應義塾大学 日吉キャンパス 協生館 多目的教室1
オンライン開催(Zoom)
合同研究会2026 参加申込フォームより参加申込を行ってください。現地参加の登録締め切りは11月27日(金)です。
参加人数が会場のキャパシティを超えると予想される場合は、事前参加登録を早期終了する場合があります。
本イベントはハイブリッド開催です。オンラインで参加予定の方も上記の参加フォームからご登録ください。オンラインでの参加申し込みは開催当日でも可能です。
参加登録の際には「参加予定の研究会」から「人工知能基本問題研究会 2026-12-03」をご選択ください。
当研究会および合同研究会2026の参加費は無料です。
マルチエージェント経路計画の最前線
物流分野における産業応用を背景に、マルチエージェント経路計画(Multi-Agent Pathfinding; MAPF)の研究は、ロボティクスへの応用やニューラルネットワークを用いた手法など、多様な方向へと発展してきた。しかし、その根幹にあるのは、ヒューリスティック探索を中心とした離散的な組合せ最適化問題である。では、こうしたアルゴリズム的なアプローチは現在どこまで到達しており、どのような限界を抱えているのだろうか。本講演では、この問いを中心に、タスクが継続的に発生する経路計画問題(Lifelong MAPF)や、タスク割当を伴う問題など、MAPFの派生問題にも触れながら、最新の研究動向と今後の課題を議論する。
Smoothie:複数の最先端MIPソルバーの協調による超並列混合整数最適化への挑戦
混合整数計画問題(MIP)は、様々な現実の意思決定問題を定式化できる強力な数理最適化手法である。 近年、MIPソルバーの性能は飛躍的に向上しているが、最先端のソルバーを用いても求解が極めて困難な問題が数多く残されている。 本講演では、複数の最先端MIPソルバーを協調動作させ、スーパーコンピュータの大規模計算資源を活用して難問の求解を目指す 新しい並列MIPソルバー「Smoothie」を紹介する。Smoothieは、並列計算フレームワークUG(Ubiquity Generator)を基盤とし、 Gurobi、FICO Xpress、CPLEX、COPTなどの異なるMIPソルバーを同時に実行する。単に複数のソルバーを競争させるだけでなく、 暫定解や探索済み部分空間に関する情報を共有することで、探索の重複を抑制し、計算資源の効率的な利用を図る。 また、探索状況に応じてソルバーの構成を動的に変更する仕組みも導入している。開発初期段階の計算実験では、 MIPLIB 2017の未解決問題11問について、それまでの最良既知解を更新することに成功した。 本講演では、Smoothieの設計思想と主要な技術的課題、初期の計算結果を報告するとともに、今後の大規模分散並列探索への展開や、 量子最適化アルゴリズムの性能評価に向けたベンチマーク問題への応用について議論する。
制約付きマッチングの理論
両方向マッチングは,研修医と病院,学生と学校等の望ましい組合せを求める 問題であり,研修医の配属や学校選択制等の多くの応用事例が存在する.一方, 現実の応用事例においては,様々な社会的要請から,マッチングの結果に対し てなんらかの制約,例えば大都市圏の病院に配属される研修医の総数を制限す る地域上限制約,過疎地域の病院に一定数の研修医が配属されることを保証す る下限制約等が課せられることが多い.本講演では両方向マッチングの基礎理 論,特によく知られた受入保留 (deferred acceptance) メカニズム,および 各種の制約に対応するための手法について概説する.
協調領域を拡げる物流改革と数理最適化
物流業界は人手不足が深刻化しており、個別最適化から全体最適化へ、競争から共創へのシフトが強く求められてきました。本講演では、我が国の物流改革に資する取組を二つ紹介します。一つは、物流インフラである「パレット」を全国で共同利用するしくみの効率化です。最小費用循環流を求めることで、その運用計画(回収、洗浄、リバランス、納品)を改善しています。もう一つは、「共同輸送」を促進するマッチングシステムの開発です。物流ビッグデータから、協力効果が高い共同輸送の組合せを瞬時に列挙して提案することを実現しています。
※日本パレットレンタル株式会社との共同研究です。
マルチエージェント経路計画の最前線
奥村 圭祐(産業技術総合研究所)
Smoothie:複数の最先端MIPソルバーの協調による超並列混合整数最適化への挑戦
品野 勇治(Zuse Institute Berlin)
合同研究会2026のイベントとして招待講演 や ポスターセッション、インダストリアルセッション などを開催します。そちらにもぜひご参加ください。
制約付きマッチングの理論
横尾 真(九州大学)
協調領域を拡げる物流改革と数理最適化
吉良 知文(九州大学)
イベントを通じての長めの質疑の時間をとります。
研究会終了後、会場付近にて懇親会の開催を予定しています。参加を希望される方は11/20(金)までに懇親会参加申込フォーム よりお申し込みください。
研究会資料は発表の有無に関わらず stores にて電子版を購入頂けます。
なお、人工知能学会の学生会員は無料です。
また、それ以外の会員の方は研究会登録による年間購読割引があります。
主査: 西野 正彬
主幹事: 戸田 貴久
幹事: 原田 崇司、金森 憲太朗、明石 望洋、塩田 拓海
担当幹事: 西野 正彬
連絡先アドレス:fpai_kanji[at]sig-fpai.org
人工知能学会 人工知能基本問題研究会 (SIG-FPAI)
人工知能学会第一種研究会に投稿された研究会資料は紙冊子として発行されると同時に、
学会事務局で資料ID(※1)を付与した上で学会文献提供サイト「J-STAGE」上のPDFファイルとして掲載されます。
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(※1)研究会資料ID付与規則の変更(2021年4月)
研究会資料ID(論文ID)の付与ルールを下記のように統一しました。
(※2)紙媒体の奥付に記載された発行日