(一社)人工知能学会 第134回人工知能基本問題研究会(SIG-FPAI)

※ 本研究会は人工知能学会合同研究会2025の一部として開催します。

シンポジウム: 制約充足、探索、列挙、最適化 ― よい「答え」を見つける技術の最先端

開催趣旨

制約充足、探索、列挙、最適化は、人工知能分野の様々な課題においてよい「答え」を探すために利用される汎用的かつ強力な技術です。本シンポジウムでは、これらの技術分野を代表する4名の専門家の方々をお招きし、最新の研究動向についてご講演いただきます。また、パネル討論ではそれぞれの技術の関係性や今後の研究課題、LLMなどを含む最新のAI技術との関係などについて議論します。これらの分野の動向に興味のある研究者にとっても、実務での課題に対する「答え」を見つける技術・ツールを探している方にとっても有益な内容だと思いますので、どうぞお気軽にご参加ください。

開催日

2025年12月1日(月) 9:50 ~ 17:30

会場

慶應義塾大学 日吉キャンパス 協生館2F 多目的教室1
オンライン開催(Zoom)

参加申込先

合同研究会2025 参加申込フォームより参加申込を行ってください。現地参加の登録締め切りは11月24日(月)です。
参加人数が会場のキャパシティを超えると予想される場合は、事前参加登録を早期終了する場合があります。
本イベントはハイブリッド開催です。オンラインで参加予定の方も上記の参加フォームからご登録ください。オンラインでの参加申し込みは開催当日でも可能です。
参加登録の際には「参加予定の研究会」から「人工知能基本問題研究会 2025-12-01」をご選択ください。

参加費

当研究会および合同研究会2025の参加費は無料です。

招待講演

招待講演1: 陣内 佑(株式会社サイバーエージェント)

タイトル

大規模言語モデルで「最適な」文章を生成する

概要

現代の大規模言語モデル(LLM)は様々なタスクにおいて高品質な文章を生成することが出来ます。 しかし、文章が「高品質」であることを評価することは非常に難しく、それらを探索することは更に難しい問題です。 本講演では、文章生成問題を「より良い文章を探索する最適化問題」として解く手法であるBest-of-N サンプリングや Minimum Bayes Risk (MBR) デコーディングなどの手法を紹介します。 探索と評価という普遍的な課題が、LLMにおいてどのように活かされるかをお話いたします。

招待講演2: 宋 剛秀(名古屋大学)

タイトル

SATソルバーと制約ソルバー ~基盤技術と最新動向~

概要

SATソルバーとは,命題論理式の充足可能性判定 (SAT) 問題を解くプログラム である.1960年代から多くの研究が積み重ねられ,特に2000年以降は性能が飛 躍的に向上してきた.しかし,SATソルバーの入力形式は素朴な連言標準形の 論理式であり,実世界の問題を直接記述するのは容易ではない.このため, SATソルバーの技術を利用・拡張し,その高い性能を活かしつつ,多様な制約 を直接記述できる制約ソルバーが開発され,多くの分野で成功を収めている. 本講演では,これらの基盤技術と最新の研究動向について概説する.

招待講演3: 梅谷 俊治(株式会社リクルート)

タイトル

実務につなげる数理最適化

概要

最近では、機械学習によるデータ分析の普及にともない、その結果を踏まえた上で意思決定や計画を策定を実現する数理最適化が注目されるようになりました。また、現在では、有償・無償を含めて多くの数理最適化ソルバーが利用できるようになり、現実問題を解決するための有用な手段として急速に普及しつつあります。しかし、企業に数理最適化の専門家は少なく大学から輩出できる人材にも限りがあるため、実務における数理最適化の数理最適化の活用はまだ限定的な範囲に留まっているのが現状です。この課題を解決するため、(1)実務の各段階における問題解決の支援を通じて数理最適化の専門家を育成し、基幹事業に数理最適化を活用する枠組みを創出すること、(2)産業や学術の幅広い現実問題に迅速に対応するための基盤技術となる、高性能かつ汎用的な数理最適化ソルバーを開発することを目標に活動しています。講演では、これらの取り組みをご紹介します。

招待講演4: 湊 真一 (京都大学)

タイトル

離散構造処理に基づく列挙・最適化・制約充足の統合的技法:最近の成果と今後の課題

概要

離散構造処理系に基づく種々の問題において「列挙」「最適化」「制約充足」の 三者は、これまで個別に処理技法が発展してきたが、共通する要素技術が多く見 られる。この三者の統合的アルゴリズム基盤は、電力/通信/道路網設計、文字列 処理、計算化学、疫学調査、避難所割当、選挙区割り、金融ファイナンス等、 様々な社会的に重要な実問題に応用可能であるだけでなく、近年急速に発展を続 けている統計的機械学習に基づくAI技術と、伝統的な論理に基づくSymbolic AI の技術を協調的につなぐ基盤技術とも成り得るものである。本講演では、離散構 造処理に基づく列挙・最適化・制約充足の統合的技法について、我々の研究グルー プの最近の成果を解説するとともに、今後の展開と研究課題について述べる。

プログラム

招待講演1(9:50 ~ 10:45)

招待講演2(10:45 ~ 11:40)

休憩 (11:40 ~ 11:50)

招待講演3(11:50 ~ 12:45)

昼休み (12:45 ~ 15:30)

合同研究会2025のイベントとして招待講演 ポスターセッション インダストリアルセッション などを開催します。そちらにもぜひご参加ください。

招待講演4(15:30 ~ 16:25)

パネル討論(16:30 ~ 17:30)

懇親会 (18:30 - 20:30)

研究会終了後、会場付近にて懇親会の開催を予定しています。参加を希望される方は11/17(月)までに懇親会参加申込フォーム よりお申し込みください。

研究会資料

研究会資料は発表の有無に関わらず stores にて電子版を購入頂けます。
なお、人工知能学会の学生会員は無料です。
また、それ以外の会員の方は研究会登録による年間購読割引があります。

運営メンバー

主査: 杉山 麿人
幹事: 西野 正彬、中畑 裕、竹村 彰浩、原田 崇司、金森 憲太朗
担当幹事: 西野 正彬
連絡先アドレス:fpai_kanji[at]sig-fpai.org
人工知能学会 人工知能基本問題研究会 (SIG-FPAI)


人工知能学会の研究会資料(第一種)の扱いについて

人工知能学会第一種研究会に投稿された研究会資料は紙冊子として発行されると同時に、
学会事務局で資料ID(※1)を付与した上で学会文献提供サイト「J-STAGE」上のPDFファイルとして掲載されます。
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(※1)研究会資料ID付与規則の変更(2021年4月)
研究会資料ID(論文ID)の付与ルールを下記のように統一しました。

(※2)紙媒体の奥付に記載された発行日