発表募集:人工知能学会 第129回人工知能基本問題研究会(SIG-FPAI)

* 本研究会は、以下の研究費等の支援を受けて開催されます:
JST CREST JPMJCR22D3「記号推論に接続する機械学習」

開催日

2024年9月5日(木), 6日(金)

会場

ハイブリッド開催
リアル会場は山口県岩国市シンフォニア岩国(山口県民文化ホールいわくに)の大会議室、オンライン会場はZoomになります。
https://www.sinfonia-iwakuni.com/

テーマ

特集「ニューロシンボリックAI」および一般

開催趣旨

記号推論を組み込んだ機械学習(ニューロシンボリックAI)や物理法則を組み込んだ機械学習(Physics-informed Machine Learning)など、外部知識のAIへの埋め込みが注目されています。AIの精度向上だけでなく、モデルの解釈性や信頼性の向上、さらに物理システムのシミュレーションへの適用など、幅広い研究成果が報告されつつあります。そこで今回の研究会では、「ニューロシンボリックAI」に関する企画セッションを開催するとともに、このトピックに関連する研究発表を募集します。また、これに限らず、人工知能の基本問題に関する理論や応用の発表も幅広く募集します。

招待講演

招待講演1:SCHWIND, Nicolas (産総研 AIセンター)

タイトル

Editing and Constructing ML Models with KR Techniques: A Belief Revision Approach
(信念修正技術を用いた機械学習モデルの編集と構築)

概要

In the landscape of Artificial Intelligence (AI), the opacity of learning models poses significant challenges. Despite their success, these models often operate as black boxes, making it difficult to assess and correct their outputs. This talk addresses the urgent need to correct errors in already trained classifiers, specifically within the realm of binary classification.
We present a novel approach to correcting (or editing) Boolean classifiers, focusing on how to modify them when new evidence necessitates changes. Our solution introduces an axiomatic framework that defines rational principles for making these corrections, ensuring they are systematic and effective. This framework draws inspiration from Belief Revision Theory, applying its principles to the editing of classifiers.
This talk will detail our formal framework and its foundational postulates, and present families of edit operators that adhere to these rationality postulates. We will then discuss, on a broader scale, how belief revision theory can be used to develop an alternative, symbolic architecture for learning models, with the aim of revolutionizing the field of Machine Learning by enhancing interpretability and reliability.

招待講演2:松原 崇(北海道大学)

タイトル

深層学習に幾何学的制約を与える意義と方法

概要

深層学習(ニューラルネットワーク)は一般にブラックボックスのモデルであるとされ,精度は良くとも人間に理解不能な関数を学習すると考えられています.しかし,畳み込みニューラルネットワークは平行移動に対し,グラフニューラルネットワークは順序入れ替えに対し不変性を持つように設計されています.つまり少なくとも,人間に理解可能な制約を与えることは可能です.このパラダイムは幾何学的深層学習と呼ばれていますが,幾何学は解析力学と深い繋がりがあります.例えば物理現象をデータからモデル化するときに,エネルギー保存則や運動量保存則などの法則が既知であればそれを保証したり,未知であればそれを同定したりするように学習することも可能です.本発表では講演者の最近の研究を中心に,深層学習に"ハードな"制約を与える手法の紹介と,今後の展望について述べます.

招待講演3:浅井 政太郎(IBM Research Cambridge (MIT-IBM Watson AI Lab))

タイトル

シンボルグラウンディングとグラフィカルモデル

概要

人工知能の究極の目標の1つは、現実世界で高レベルの決定を下すことができる合理的で論理的な自律エージェントを構築することです。記号的システムはそのような論理的推論に優れていますが、知識獲得ボトルネックのため、現実世界からの生の入力と直接互換性がありません。たとえば、ドメイン非依存古典プランニングでは、入力として問題ドメインと問題インスタンスの記号的モデルが必要です。
本公演では、ディープラーニングを使用して、古典的プランナーの PDDL 入力を生成する教師なしアーキテクチャである Latplan を紹介します。Latplanは、環境内のラベルのない画像遷移のセットを入力として、環境の命題 PDDL 定義を生成し、プランニングを実行して、視覚化されたプランを返します。このプロセスには、命題シンボルとアクションシンボルという二種類の記号のグラウンディングが必要ですが、これを一般化して、モデルを構築するための記号には様々な種類があること、それらには別々のメカニズムが必要であるということ、そしてそれぞれの記号には対応する生成モデルがあるということを論じます。
また時間が許せば、強化学習や言語モデルとの関連付け、言語モデルを用いたプランニングモデル生成に関する近年の研究などについてもお話します。

招待講演4:加納 龍一(NII)

タイトル

深層学習理論を用いた決定木アンサンブルの解析

概要

近年、ニューラルネットワークと決定木が持つ長所を両立させることを目指すなかで、勾配法を用いて学習される決定木アンサンブルの研究が注目を集めている。しかし、既存の研究は実験に基づく手法の提案が多く、それらの手法に対する理論的な裏付けは限定的であった。そこで我々は、ニューラルネットワークと決定木アンサンブルの間に存在するアナロジーを指摘し、勾配法を用いて訓練される決定木アンサンブルに対して深層学習理論の観点を拡張することに取り組んできた。本講演では、ニューラルネットワークのみに適用されてきたNeural Tangent KernelやLinear Mode Connectivityといった観点を決定木アンサンブルに拡張する研究を紹介するとともに、信頼されるAIシステムを構築するための展望について述べる。

発表申込期限

2024年7月12日(金) 23:59 JST

発表申込先

以下の人工知能学会発表申込フォームより発表申込を行ってください.
https://www.ai-gakkai.or.jp/sig-system/sigusers/presenter_add/fpai/129

原稿提出期限

2024年8月5日 (月) 23:59 JST
※ 予稿集作成の都合上,締切は延長できません.締切厳守でお願いいたします.

一般発表はA4用紙原則6枚以内です.
スタイルファイル・サンプル等はこちらからダウンロードしてください.
原稿の提出については,提出期限までに発表申込内容編集フォームから PDF のアップロードをお願いいたします.
発表申込み後の確認メールに,フォームへのアクセス用 URL が記載されています.

参加費

当研究会の聴講は無料です.

研究会資料

研究会資料は発表の有無に関わらず stores にて電子版を購入頂けます.
なお,人工知能学会の学生会員は無料です.
また,それ以外の会員の方は研究会登録による年間購読割引があります.

運営メンバー

主査: 杉山 麿人
幹事: 西野 正彬、栗田 和宏、鈴木 浩史、中畑 裕、竹村 彰浩
担当幹事: 杉山 麿人、竹村 彰浩
連絡先アドレス:kanji@sig-fpai.org


人工知能学会の研究会資料(第一種)の扱いについて

人工知能学会第一種研究会に投稿された研究会資料は紙冊子として発行されると同時に,
学会事務局で資料ID(※1)を付与した上で学会文献提供サイト「J-STAGE」上のPDFファイルとして掲載されます.
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(※1)研究会資料ID付与規則の変更(2021年4月)
研究会資料ID(論文ID)の付与ルールを下記のように統一しました.

(※2)紙媒体の奥付に記載された発行日