* 本研究会は、以下の研究費等の支援を受けて開催されます:
JST CREST JPMJCR22D3「記号推論に接続する機械学習」
2024年9月5日(木), 6日(金)
こちらの人工知能学会発表申込フォームより参加申込を行ってください。
当研究会の聴講は無料です。
ハイブリッド開催
リアル会場は山口県岩国市シンフォニア岩国(山口県民文化ホールいわくに)の大会議室、オンライン会場はZoomになります。
https://www.sinfonia-iwakuni.com/
特集「ニューロシンボリックAI」および一般
記号推論を組み込んだ機械学習(ニューロシンボリックAI)や物理法則を組み込んだ機械学習(Physics-informed Machine Learning)など、外部知識のAIへの埋め込みが注目されています。AIの精度向上だけでなく、モデルの解釈性や信頼性の向上、さらに物理システムのシミュレーションへの適用など、幅広い研究成果が報告されつつあります。そこで今回の研究会では、「ニューロシンボリックAI」に関する企画セッションを開催するとともに、このトピックに関連する研究発表を募集します。また、これに限らず、人工知能の基本問題に関する理論や応用の発表も幅広く募集します。
Editing and Constructing ML Models with KR Techniques: A Belief Revision Approach
(信念修正技術を用いた機械学習モデルの編集と構築)
In the landscape of Artificial Intelligence (AI), the opacity of learning models poses significant challenges. Despite their success, these models often operate as black boxes, making it difficult to assess and correct their outputs. This talk addresses the urgent need to correct errors in already trained classifiers, specifically within the realm of binary classification.
We present a novel approach to correcting (or editing) Boolean classifiers, focusing on how to modify them when new evidence necessitates changes. Our solution introduces an axiomatic framework that defines rational principles for making these corrections, ensuring they are systematic and effective. This framework draws inspiration from Belief Revision Theory, applying its principles to the editing of classifiers.
This talk will detail our formal framework and its foundational postulates, and present families of edit operators that adhere to these rationality postulates. We will then discuss, on a broader scale, how belief revision theory can be used to develop an alternative, symbolic architecture for learning models, with the aim of revolutionizing the field of Machine Learning by enhancing interpretability and reliability.
深層学習に幾何学的制約を与える意義と方法
深層学習(ニューラルネットワーク)は一般にブラックボックスのモデルであるとされ,精度は良くとも人間に理解不能な関数を学習すると考えられています.しかし,畳み込みニューラルネットワークは平行移動に対し,グラフニューラルネットワークは順序入れ替えに対し不変性を持つように設計されています.つまり少なくとも,人間に理解可能な制約を与えることは可能です.このパラダイムは幾何学的深層学習と呼ばれていますが,幾何学は解析力学と深い繋がりがあります.例えば物理現象をデータからモデル化するときに,エネルギー保存則や運動量保存則などの法則が既知であればそれを保証したり,未知であればそれを同定したりするように学習することも可能です.本発表では講演者の最近の研究を中心に,深層学習に"ハードな"制約を与える手法の紹介と,今後の展望について述べます.
シンボルグラウンディングとグラフィカルモデル [スライド]
人工知能の究極の目標の1つは、
現実世界で高レベルの決定を下すことができる合理的で論理的な自律エージェントを構築することです。
記号的システムはそのような論理的推論に優れていますが、
知識獲得ボトルネックのため、現実世界からの生の入力と直接互換性がありません。
たとえば、ドメイン非依存古典プランニングでは、
入力として問題ドメインと問題インスタンスの記号的モデルが必要です。
本公演では、ディープラーニングを使用して、
古典的プランナーの PDDL 入力を生成する教師なしアーキテクチャである Latplan を紹介します。
Latplanは、環境内のラベルのない画像遷移のセットを入力として、
環境の命題 PDDL 定義を生成し、プランニングを実行して、視覚化されたプランを返します。
このプロセスには、命題シンボルとアクションシンボルという二種類の記号のグラウンディングが必要ですが、
これを一般化して、
モデルを構築するための記号には様々な種類があること、
それらには別々のメカニズムが必要であるということ、
そしてそれぞれの記号には対応する生成モデルがあるということを論じます。
また時間が許せば、強化学習や言語モデルとの関連付け、
言語モデルを用いたプランニングモデル生成に関する近年の研究などについてもお話します。
深層学習理論を用いた決定木アンサンブルの解析
近年、ニューラルネットワークと決定木が持つ長所を両立させることを目指すなかで、勾配法を用いて学習される決定木アンサンブルの研究が注目を集めている。しかし、既存の研究は実験に基づく手法の提案が多く、それらの手法に対する理論的な裏付けは限定的であった。そこで我々は、ニューラルネットワークと決定木アンサンブルの間に存在するアナロジーを指摘し、勾配法を用いて訓練される決定木アンサンブルに対して深層学習理論の観点を拡張することに取り組んできた。本講演では、ニューラルネットワークのみに適用されてきたNeural Tangent KernelやLinear Mode Connectivityといった観点を決定木アンサンブルに拡張する研究を紹介するとともに、信頼されるAIシステムを構築するための展望について述べる。
発表時間の目安は、一般発表は25分(20分発表+5分質疑)、招待講演は60分(50分発表+10分質疑)です。
招待講演:深層学習に幾何学的制約を与える意義と方法
松原 崇(北海道大学)
招待講演:Editing and Constructing ML Models with KR Techniques: A Belief Revision Approach(信念修正技術を用いた機械学習モデルの編集と構築)
SCHWIND, Nicolas (産総研 AIセンター)
Algorithmic Recourse for Graph Neural Networks via Customizable Edge Masks
MA JIALI(京都大学)、瀧川 一学(京都大学)、山本 章博(京都大学)
線形閾値関数に基づく自己符号化器における復号化器の頂点数について
阿久津 達也(京都大学)、Melkman Avraham(ネゲヴ・ベン=グリオン大学)
An Analysis of the Effect of the Replacement Ratio in the Pre-training SSL Phase on the Accuracy of Models after Fine-Tuning
Locatelli Daniele(富士通株式会社、日欧産業協力センター)、岩田 聡(富士通株式会社)、椎崎 耕太郎(富士通株式会社)、Dang Thang(富士通株式会社)、笠置 明彦(富士通株式会社)、坂井 靖文(富士通株式会社)
自己敵対的監視を伴う Superalignment の研究
石崎 龍之介(NII/総研大)、杉山 麿人(NII/総研大)
脳病理学とAGIと思考のアルゴリズム
三浦 圭人(日本航空高校)
形式概念分析におけるオブジェクトに対する関係追加に伴う概念束の更新手法
論田 康平(京都大学)、山本 章博(京都大学)
招待講演:シンボルグラウンディングとグラフィカルモデル
浅井 政太郎(IBM Research Cambridge (MIT-IBM Watson AI Lab))
招待講演:深層学習理論を用いた決定木アンサンブルの解析
加納 龍一(NII/総研大)
知識グラフを利用した多肢選択問題での解答選択手法
下田 直樹(京都大学)、山本 章博(京都大学)
全変動正則化付き一般化加法モデルの関数データ回帰への応用
武田 優真(東京大学)、松島 慎(東京大学)
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主査: 杉山 麿人
幹事: 西野 正彬、栗田 和宏、鈴木 浩史、中畑 裕、竹村 彰浩
担当幹事: 杉山 麿人、竹村 彰浩
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