人工知能学会 第115回人工知能基本問題研究会(SIG-FPAI)

開催情報

開催日

2021年1月28日(木)・29日(金)
※ 情報処理学会 第181回アルゴリズム研究会との合同開催です.

会場

オンライン開催(具体的な参加方法は参加申込者に追って連絡いたします.)

テーマ

特集「人工知能基本問題と数理最適化」および一般

開催趣旨

数理最適化はオペレーションズ・リサーチを含む様々な分野で積極的に研究が行われており,問題解決のための代表的なアプローチのひとつである.数理最適化は離散的および連続的な世界のどちらにも横断しており,人工知能分野においても,離散・連続問わず様々な研究において用いられている.このような文脈において,大規模な数理最適化問題を解く研究は非常に重要であり,人工知能分野の様々な基本問題解決に大きく寄与する.また,近年では「説明可能性」,「公平性」,「多様性」といった概念が人工知能研究の様々な文脈において出現し,このような概念をどのように数理モデリングするかという観点でも盛んに研究が行われている.
 そこで今回は,(広い意味での)人工知能基本問題と数理最適化というテーマに関する研究などを幅広く募集する.もちろん,これらに限らず,人工知能の基本問題に関する理論・技術の研究発表や話題提供も歓迎します.

招待講演

[招待講演 1] 金森 憲太朗 氏 (北海道大学)

タイトル:

整数計画法に基づく説明可能な機械学習へのアプローチ

概要:

深層学習に代表される機械学習手法の発展により,機械学習モデルが医療や金融などといった実社会意思決定の現場に応用され始めている.これに伴い,機械学習モデルの予測根拠や判断基準を人間が理解可能な形で提示できる“説明可能性”の実現が重要視されており,近年活発に研究が行われている.説明可能性の実現を目的としたアプローチには,大きく分けて,(1)決定木に代表される大域的に解釈可能なモデルを学習する方法と,(2)学習済みモデルから局所的な説明を抽出する方法の2つが存在する.これらのアプローチの多くは,そのタスクを最適化問題(L0正則化つき経験損失最小化など)として定式化することで,機械学習モデルの“説明”を数理モデル化することを試みている.しかし,このような最適化問題は,離散的な性質を持つ制約条件の存在や目的関数の微分不可能性などにより,従来の機械学習で広く用いられてきた連続最適化アルゴリズムを直接適用できない場合が多い.これに対して,近年,その柔軟なモデリング能力と汎用ソルバーの発展を背景として,整数計画法に基づく最適化手法が注目を集めている.本講演では,機械学習の説明可能性の実現を目的とした最適化問題に対する整数計画法に基づくアプローチをいくつか紹介する.加えて,整数計画法に基づく手法の具体例として,本講演者が取り組んでいる(1)公平性を考慮した決定木編集法と,(2)実現可能性を考慮した反実仮想説明法についても紹介する

[招待講演 2] 梅谷 俊治 先生 (大阪大学)

タイトル:

組合せ最適化による問題解決の実践的なアプローチ

概要:

組合せ最適化は現実社会における意思決定や問題解決を実現するための有用な手段である.しかし,組合せ最適化の理論やアルゴリズムの専門的な知識があれば,現実問題が即座に解決できるわけではない.実際に,最適化問題のモデリングにかかるインタビューからシステムの実装・導入にいたるまで,これらの専門知識だけでは解決できない課題が数多く存在する.本講演では,数理最適化とその関連分野の研究者がコンサルタントと共同で現実問題に取り組む際に生じる課題とその対策について解説する.また,これまでに取り組んだ事例から,電子ジャーナル購読計画とカタログレイアウト作成を紹介する.

プログラム

発表は 1 件あたり 30 分(目安:発表 25 分 + 質疑 5 分)です.

1月28日(木)

[FPAI 招待講演 1] 13:00 - 14:00

[休憩] 14:00 - 14:20

[AL 一般セッション] 14:20 - 15:50

1月29日(金)

[FPAI 一般セッション] 11:00 - 12:00

[FPAI 招待講演 2] 13:00 - 14:00

[休憩] 14:00 - 14:20

[AL 一般セッション] 14:20 - 15:20

参加申込

以下の『参加登録』ページから 1/27(水)までに申込み下さい.参加のための Zoom リンクの情報は,1/28(木)に登録済みの方にお送りいたします.
https://www.ai-gakkai.or.jp/sig-system/sigusers/add/fpai/115

参加費

当研究会の聴講は無料です.

研究会資料

研究会資料は発表の有無に関わらず電子版/冊子体を購入頂けます.
※ 電子版:一般 1,500 円(予定)・学生会員無料です.1/20(水)より下記にて購入・入手頂けます.
【販売先】https://jsaioffice.stores.jp/
※ 冊子体:一般・学生問わずに有料(2,000 円・郵送)となります.下記よりお申し込み下さい.1/19(火)が締切です.
【申込先】https://forms.gle/nRCP1sVsoHmxjqTa6
※ 人工知能学会員の方は研究会登録により年間購読割引があります.登録会員の方々へは冊子体も郵送されます.
【研究会登録】https://www.ai-gakkai.or.jp/sig/announce/sig-registeration/

運営情報

運営メンバー

主査: 大久保 好章
幹事: 石畠 正和, 大滝 啓介, 後藤 啓介, 小林 靖明, 蓑田 玲緒奈
担当幹事: 小林 靖明, 蓑田 玲緒奈
連絡先アドレス:fpai_kanji@sig-fpai.org


人工知能学会の研究会資料(第一種)の扱いについて(2015年度より)

2015年4月以降に人工知能学会第一種研究会に投稿された研究会資料は,
紙冊子に掲載されると同時に,学会事務局で資料ID(※1)を付与した上で
学会文献提供サイト「AI書庫」(https://jsai.ixsq.nii.ac.jp/ej/)上のPDF
ファイルとして閲覧可能となります.

発行日(※2)から一年間は,一本あたり(非会員 600円+消費税,学会員 300
円+消費税,登録会員 0円)にて販売します.一年間の保留期間(エンバーゴ)
後は無料購読できるようになりオンライン公開されます.

なおAI書庫上のデータには,標準的な識別子(番号)は付与されませんが,
一般的な検索エンジンや国立情報学研究所が提供するCiNiiなどから容易に
検索できるようになります.

(※1) 研究会資料ID付与規則の変更(2015年度より)

研究会資料ID(論文ID)の付与ルールを下記のように統一しました.

(※2) 紙媒体の奥付に記載された発行日