人工知能学会 第109回人工知能基本問題研究会(SIG-FPAI)

主査: 瀧川 一学
幹事: 井 智弘,大久保 好章,杉山 麿人,戸田 貴久,西野 正彬
担当幹事: 井 智弘,戸田 貴久

開催日

2019年3月13日(水), 14日(木)

発表申込期限

2019年2月8日(金)(締め切りました)

原稿提出期限

2019年2月22日(金)(締め切りました)

会場

グラバー園 旧スチイル記念学校2F
〒850-0931 長崎県長崎市南山手町8番1号
http://www.glover-garden.jp/

テーマ:特集「命題論理の充足可能性問題SATの最新動向」および一般

開催趣旨

命題論理式の充足可能性判定(SAT)問題は,約半世紀に渡って膨大な量の研究
が蓄積されてきました.特に近年SAT問題を解くプログラムであるSATソルバー
の性能が飛躍的に向上し,様々な応用領域における推論の基盤技術としてSAT技術
は注目を集めています.

今回の研究会で扱う話題の例としては, SATソルバー, SAT符号化, SAT型システム
などはもとより, SMT, ASP, CSP, QBF, MaxSAT, 擬似ブール制約 などSAT技術に
関連する話題や, プランニング, モデル検査, ソフトウェア検証 など各種の応用や
事例研究, あるいは, SATの複雑さに関する基礎理論などが挙げられます.
さらには, より広い視点から BDD/ZDDなどのような実用的なアルゴリズムやデータ構造
なども含まれます.
このように多面的な観点から, SATを取り巻く近年の動向を学ぶ機会として,
幅広く研究発表を募集します.

もちろん,これらに限らず,人工知能の基本問題に関する理論・技術の研究発表も歓迎します.

招待講演

[講演1] 細部 博史 (法政大学)

講演1のタイトル

ソフト制約のモデル化・解決とその応用

講演1の概要

制約プログラミングは,制約と呼ばれる数式や論理式等の条件を用いて問題を
宣言的にモデル化し,制約を満たす解を求めることで問題を解決する手法であ
る.一般的な手続き的プログラミングと異なり,制約プログラミングでは,問
題を解くアルゴリズムを明示的に記述する必要がないため,プログラムを記述
する負担が軽減される.通常の制約プログラミングで,制約は必ず満たされる
べき条件と見なされる.しかし,現実の問題でこれは必ずしも容易ではなく,
制約が矛盾し合うために解が存在しなくなってしまったり,制約が不足するた
めに解が多数存在してしまったりといった困難が生じる.ソフト制約は,この
困難に対処する有力な手段である.ソフト制約を用いた枠組みでは,制約が矛
盾し合う場合でも可能な限りそれらを満たすように解が決定される.また,こ
の性質を利用し,デフォルトの制約を導入すれば,制約が不足する場合にも対
処できる.本講演では,ソフト制約のモデル化と解決のための種々の枠組みと
その応用を概観する.さらに,本講演者がこれまでの研究で提案,開発したソ
フト制約のための枠組み,アルゴリズム,システムとその応用を紹介する.

[講演2] 吉仲 亮 (東北大学)

講演2のタイトル

文法推論における分布学習アプローチ

講演2の概要

文法推論は形式言語を対象とした機械学習の一分野であるが,いわゆる機械学習
研究で一般的なような精度の高い分類器の構築を目指すというよりも,特にアル
ゴリズム的な学習によって学習対象である形式言語の構造を表現する文法ないし
オートマトンの構築を目指す学習理論の研究である.いかなる学習モデルの中で
いかなる言語族がいかなる意味で学習されるのか,その可能性と限界が様々に
議論されてきた.ここでは,分布学習というアプローチがいかに複雑な形式言語族の
学習を可能にしてきたのか,概説する.

参加登録

今回のFPAIでは,会場の都合により,発表者だけでなく,聴講者など
すべての参加者は事前に参加登録をする必要があります.(登録料は無料です.)
以下のリンクより登録を行ってください.
参加登録ページ

正しく参加登録が行われた場合は,後ほど,参加方法を記載したEメイルが送信されます.
もしEメイルが届かない場合は,お手数ですが下記照会先までご連絡ください.

参加費

当研究会の聴講は無料です.
研究会資料は発表の有無に関わらず1500円(学生会員無料)です.

研究会は資料の売上で運営しているため,可能な限り,1グループ
1冊程度で良いので研究会資料を購入頂けるとありがたいです.
※ 人口知能学会員の方は研究会登録により年間購読割引があります.
https://www.ai-gakkai.or.jp/sig/announce/sig-registeration/

懇親会

2019年3月13日(水)19時開始予定
全席完全個室居酒屋 新和風九州料理 かこみ庵(かこみあん) 長崎思案橋店

懇親会への参加を希望される方は,上記,参加登録ページより手続きを行ってください. 参加予定者の一覧は参加登録ページから確認できます.

照会先

井 智弘 (九州工業大学) , 戸田 貴久 (電気通信大学)
E-mail: fpai_kanji@sig-fpai.org

プログラム

1人当たりの発表時間は質疑を含めて25分. 発表者には○印.

[3月13日(水) (13:25-17:30)]

13:25 - 13:30 オープニング

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招待講演 (13:30-14:30)
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ソフト制約のモデル化・解決とその応用
○細部 博史 (法政大学)

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セッション1 (14:45-16:00)
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SATソルバーを用いたMCS列挙の実装とその評価
○越村三幸(九州大学),佐藤健(国立情報学研究所)

alldifferent制約のブール基数制約への符号化手法の提案とクイーングラフ彩色問題への応用
○大野 周亮(神戸大学),番原 睦則(名古屋大学),宋 剛秀(神戸大学),田村 直之(神戸大学)

SAT ソルバーにおける学習節簡単化手法に基づくメタ探索戦略の提案
◯中尾陸(山梨大学),鍋島英知(山梨大学)

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セッション2 (16:15-17:30)
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ポートフォリオ型並列 SAT ソルバーにおける適応型探索戦略
○神原和裕(山梨大学),鍋島英知(山梨大学)

SATソルバーの動的対称性除去における候補
◯市澤拓美(山梨大学),原田翔規(山梨大学),鍋島英知(山梨大学)

最大クリーク問題に対する探索頻度情報にもとづく反復k-opt局所探索法の性能
金原一歩(岡山理科大学),○片山謙吾(岡山理科大学),富田悦次(電気通信大学),松崎空良(電気通信大学)

[3月14日(木) (9:00-17:00)]
(注)セッション3に1件追加したため、セッション4の開始時刻を25分あとにずらしています。他のセッションの時間に変更はありません。

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セッション3 (9:00-10:15)
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交差回避制約によるSAT型ナンバーリンクソルバーの高速化
○ 渡辺光洋(電気通信大学),戸田貴久(電気通信大学)

変換画像の同時学習によるICMの改良
〇飯岡徹人(法政大学),若原徹(法政大学),細部博史(法政大学)

An Incremental MaxSAT Approach for Solving the Realtime Taxi-Sharing Service Problem
○ Aolong Zha(AIST), Qiong Chang(AIST), Itsuki Noda(AIST)

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セッション4 (10:30-11:45)
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近傍法と形式概念解析を用いた制約付きクラスタリング
〇米田友花(大阪大学),杉山麿人(国立情報学研究所),鷲尾隆(大阪大学)

非定常データストリームにおける適応的決定木を用いたアンサンブル学習
○菅原 優(北海道大学),瀧川 一学(北海道大学)

ランダムフォレスト識別器の異なる分岐ノードの数の削減
○櫻田 健斗(北海道大学), 中村篤祥(北海道大学)

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招待講演 (13:00-14:00)
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文法推論における分布学習アプローチ
○吉仲先生(東北大学)

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セッション5 (14:15-15:30)
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確率ブーリアンネットワークの部分例の出現頻度からの同定可能性について
〇阿久津 達也(京都大学),Avraham A. Melkman(Ben-Gurion University of the Negev)

文字列データの線形最小汎化問題に対するアルゴリズム
◯里見 琢聞(京都大学), 小林 靖明(京都大学), 山本 章博(京都大学)

複数データ領域間共通構造マイニングの提案
〇 原口誠(北海道大学),笹原啓佑(北海道大学)

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セッション6 (15:45-17:00)
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情報伝搬モデルとガウス過程に基づく犯罪予測
○森本修介(Carnegie Mellon University),川向肇(兵庫県立大学), 申吉浩(兵庫県立大学)

モーメントカーネルを用いた分類手法の分析
◯田中 謙次(兵庫県立大学)、申 吉浩(兵庫県立大学)

グラム染色画像からの菌分類推定システムの開発
○橋本和貴(九州工業大学),飯田亮介(九州工業大学),平田耕一(九州工業大学)


人工知能学会の研究会資料(第一種)の扱いについて(2015年度より)

2015年4月以降に人工知能学会第一種研究会に投稿された研究会資料は,
紙冊子に掲載されると同時に,学会事務局で資料ID(※1)を付与した上で
学会文献提供サイト「AI書庫」(https://jsai.ixsq.nii.ac.jp/ej/)上のPDF
ファイルとして閲覧可能となります.

発行日(※2)から一年間は,一本あたり(非会員 600円+消費税,学会員 300
円+消費税,登録会員 0円)にて販売します.一年間の保留期間(エンバーゴ)
後は無料購読できるようになりオンライン公開されます.

なおAI書庫上のデータには,標準的な識別子(番号)は付与されませんが,
一般的な検索エンジンや国立情報学研究所が提供するCiNiiなどから容易に
検索できるようになります.

(※1) 研究会資料ID付与規則の変更(2015年度より)

研究会資料ID(論文ID)の付与ルールを下記のように統一しました.

(※2) 紙媒体の奥付に記載された発行日