特別セッション「予兆・チャンスの発見とその応用」
チャンス発見とは、意思決定にとって重要な事象・状況についての情報を
見出し、それをどう活かせるか理解することである。ビジネス・防災・医
療・知的生産のためのコンセプト提起などニーズは多岐にわたる. シーズ
では, データマイニング・認知科学・自然言語処理・リスクマネジメント
・マルチエージェントなど, 人工知能関連の研究が挙げられる。 2000年春
より日本を起点に地道に進められた研究活動であったが、現在では科学技
術振興事業団の支援をはじめ博報堂などからワークショップが開催され、
KESやDiscovery Scienceなどの国際会議におけるセッションあるいは主要関
連トピックに含められるなど、今後もチャンス発見に関するグローバル・シ
ンポジウムが拡大される予定である。今回は2000年11月のSIGFAI43に続き、
チャンス発見に関する発表からなる特別セッション、パネル討論の他、充実
した一般講演がある。
10:00 - 10:30
・チャンス発見プロセスの二重らせんモデルに基づくアンケート調査データの解析
大澤幸生(筑波大学, JST) 奈良由美子(大阪教育大学)
チャンス発見過程を二重らせんでモデルする考えを基に、インターネット
社会における潜在的価値観を社会調査データから理解する。
10:30 - 11:00
・実業における予兆発見 データと感性の融合
臼井優樹(日東紡/筑波大学)
服飾生地のリクエストデータからの客観的視覚情報を刺激剤とし、個人の主
観を相補的に活用して予兆発見する
11:00 - 11:30
・購買時のインタラクションからのチャンス発見
庄司裕子(東京大学/川村学園女子大学),堀浩一(東京大学)
購買(店頭での実購買・オンライン購買実験の双方)時の顧客の意思決定過程
の分析を通して、インタラクションによって探索目標や戦略が変化する場合が
あることが見出された。このような「チャンス発見的購買」の特徴について紹
介する。
11:30 - 12:00
・台風画像コレクションからの予兆発見
北本 朝展 (国立情報学研究所)
「ひまわり」衛星画像から構築した台風画像コレクションに対する
データマイニング・予兆発見への試みを紹介する。
--- 休憩(昼休み) ---