第43回人工知能基礎論研究会(SIG-FAI43)

日時  :2000年11月9日(木),10日(金)
場所  : 筑波大学(大塚キャンパス)


テーマ :
●一般演題(人工知能に関する一般投稿を募集します)および,
●小特集:「予兆・チャンスの発見と利用」
〜 未来を予測する最善の方法は, 未来を創ることである (アラン・ケイ)〜
手をこまねいて環境変化を「予測」するだけでなく, 努力して住み良い社会 を作ることが現代社会に必須であり, その手がかりがチャンスである. チャ ンスは人の行動次第で機会ともリスクともなり得る不確実性を持つ新稀事象 であり, それを発見し利用することのニーズはビジネス・防災・医療・知的 生産のためのコンセプト提起など多岐にわたる. シーズでは, データマイニ ング・認知科学・自然言語処理・リスクマネジメント・マルチエージェント など, 人工知能と特に関連の深い研究が力を発揮できると考えられる. このテーマに関する投稿論文/発表からなる特別セッションの他に招待企画 としては, チャンス発見について実社会からの期待がどこにあり, それに応 えるために活用できる技術・理論と課題が何であるかを議論する.
☆ 研究関連性の判断がつかないとの憂慮には及びません. さまざまな視点 から自由に関連を主張され, 奮ってご聴講下さい.

(一日目)11月9日 午後1時30分
(特別セッション:チャンス発見1)
13:30 - 14:00
1) チャンス発見と外れ値検出
○津本周作 (島根医科大学)
チャンス発見を稀な事象の発見支援ととらえ, その重要な手法となりうる外れ値 検出の手法について報告する.
14:00 - 14:30
2) 検索語のクラスタリングによるWeb情報の傾向の獲得
○ 砂山 渡,谷内田 正彦(大阪大学)
検索語のWeb情報による自動分類やユーザによる手動分類をもとに関連語を表示し, Web情報の傾向を捉えた検索を支援する.
14:30 - 15:00
3) クエリーのネットワーク化による話題分布構造可視化システムの構築
◯高間 康史,廣田 薫 (東京工業大学)
クエリーをネットワーク化する事により,検索結果の話題分布構造を可視化する システムについて提案する.

休憩15分

15:15 - 15:45
4) オンラインショッピング用インタフェース向上のための実購買行動の分析
○庄司裕子(東京大学/川村学園女子大学),堀浩一(東京大学)
オンラインショッピングにおけるユーザの意思決定を支援できる快適なイン タフェースを実現するための基礎として, 実購買行動の分析を行なった.
15:45 - 16:15
5) Chance Management Processes in Financial Services
○戸谷圭子 (株式会社マーケティング・エクセレンス)
金融サービスにおける再購買意図形成プロセスの研究.

休憩15分

11月9日 午後4時30分
16:30 - 18:30
パネルディスカッション「いかにチャンスを発見・利用するか」
司会(予定): 大澤幸生(筑波大)
パネリスト
・鷲尾隆氏(大阪大学助教授 )
従来のデータ駆動指向のデータマイニングからニーズ駆動へ.
・河野浩之氏(京都大学助教授)
インターネット上に溢れる多様なデータや情報の中から,チャンス発掘
・奈良由美子氏(大阪教育大学講師)
リスクマネジメントの側面から, 人間を含む系の視点で
・堂前宣夫氏(ファーストリテイリング社常務取締役)
実業におけるチャンスの実体験
11月9日 午後7時 懇親会 - 場所は「和来路(わらじ)」03-3943-6565奥の座敷。参加費 3000円(予定)
(二日目) 11月10日 午前9時00分(特別セッション:チャンス発見2)
9:00 - 9:30
6) チャンスディスカバリーの最適化問題としての定式化
○松尾 豊(東京大学), 大澤 幸生(筑波大学), 石塚 満(東京大学)
チャンスディスカバリーを, 人間の意思決定を左右する情報を提供するという観 点から, 最適化問題として定式化する.
9:30 - 10:00
7) A Comparative Study of Approaches to Chance Discovery
○Helmut Prendinger and Mitsuru Ishizuka(University of Tokyo)
We offer a comparative evaluation of approaches to chance discovery, putting the field in context to related scientific endeavours.
10:00 - 10:30
8)ユーザの閲覧履歴を反映してWWWから新しいトピックを発見するChanceFinder
○松村真宏(東京大学), 大澤幸生(JST/筑波大学), 石塚満(東京大学)
まだそれほど注目を浴びてはいないがユーザにとって重要なトピックをWWWから 発見することを狙う

休憩(15分)

10:45 - 11:15
9) 帰納論理プログラミングによる順序データの頻出性を用いた侵入検出
○ 伊藤大介 (東京理科大学), 大和田勇人
ネットワークセキュリティの分野における侵入検出, データマイニング, ILPの手法を用いたルールの発見.
11:15 - 11:45
10) 人工社会における情報伝播と流行の発生
○長谷川敦士(東京大学大学院総合文化研究科)
マルチエージェントシステムを用いた人工社会を構築し,エージェントに 定義したコミュニケーションモデルと系全体で発生する情報の集中につい て議論を行う.
11:45 - 12:15
11) Error Awareness:誤りへの気づきを支援する学習環境
○平嶋宗(九工大),堀口知也(神戸商船大)
構成主義の立場より学習を捉えれば,誤りは学習の最も重要な機会である. しかし,誤りの発生が必ずしも学習につながるわけではない.学習者が誤 りであることを自分自身で認識できるようなフィードバックが与えられて いることが求められる.本稿では,誤りへの気づき(Error Awareness)を 支援する学習環境の実現について述べる.

昼休み

11月10日 午後1時15分 (一般セッション)
13:15 - 13:45
12) 関係学習を用いた対話型Webページ検索
○岡部正幸,山田誠二(東京工業大学)
検索エンジンとユーザを仲介し,適合フィードバックを実現する対話的な検索処 理システムを提案する.
13:45 - 14:15
13) モノポリーにおける交渉のシミュレーション
小口邦彦, 湯浅将英, 安村禎明, 新田克己(東京工業大学)
モノポリーゲームにおける交渉を自動的に行うエージェントの意思決定方法に ついて述べる.
14:15 - 14:45
14) ラフ集合専用プロセッサの基本設計
金杉昭徳(埼玉大学)
ラフ集合は,曖昧や不完全さを含むデータベースからのルール抽出に有効である. そのための専用プロセッサの基本設計について述べる.

休憩 (15分)

15:00 - 15:30
15) 複合属性による領域分割を用いた決定木生成
○櫛 雄介, 稲積 宏誠(青山学院大学)
MDL基準を用いて属性の組合せによる分岐節点を構成し, 属性間の相関にも頑健 な決定木生成法を提案する.
15:30 - 16:00
16) 参照パターンの区間を自由とする一致区間検出手法
Reference Interval-free Active Search (RIFAS)-
○西村拓一(RWCP)・小木しのぶ((株)数理システム)・関本信博・岡隆一(RWCP)
音声や映像の時系列データ中の任意の位置に存在する同一の区間を検出する 手法を示す.