第34回人工知能基礎論研究会(SIG-FAI)
今回の小特集テーマは「新計算機環境パラダイム」でした。急速に進展を遂げ る計算機環境パラダイム研究と人工知能の接点を求めて企画したものです。 この分野で最前線を走っていらっしゃる方の中から、ソニーCSLの歴本純一 氏、日本電気の窪田和弘の二氏に招待講演をお願し、特集題目3件、一般題目7 件、合計12件の発表となりました。参加者は62名以上という盛況となり、この 分野への関心の深さが伺われる結果となりました。
I.概要
テーマ :小特集「新計算機環境パラダイム」及び一般演題+招待講演:暦本純一氏(SONY CSL),窪田和弘氏(NEC)
日時 :1998年9月24日(木)・9月25日(金)
場所 :北陸先端科学技術大学院大学 〒923-1292 石川県能美郡辰口町旭台1-1 TEL: 0761-51-1111 1
担当幹事:櫻井彰人 E-mail: ASakurai@jaist.ac.jp
II.プログラム
【9月24日(木)】
「新計算機環境パラダイム」小特集セッションI
1.13:00−14:10 招待講演:ディジタルとフィジカルの融合:実世界に展開するインタフェース
歴本 純一(ソニーCSL)
2.14:10−14:45 3次元ビジュアルプログラミングシステム3DPPの構築に向けて
○田中 二郎(筑波大学)
概要:3次元ビジュアルプログラミングシステム3DPPの構想とその要素 技術について述べる。
3.14:45−15:20 視覚に依存せず操作可能な計算機システムの設計について
- 視覚障害者向けOCRシステムの試作と評価 -
○小場 久雄, 下平 博(北陸先端科学技術大学院大学)
概要:現在の主流であるGUIを利用できない視覚障害者でも利用可能なシステムの設計について考察する。
休憩10分
「新計算機環境パラダイム」小特集セッションII
4.15:30−16:40 招待講演:こたつトップ〜家庭向けネットワーク・クライアントの試み〜
窪田 和弘(日本電気)
概要:NEC 半導体グループでは、「こたつトップ」という家庭向けネットワーク端末のプロトタイプを開発中です。今回は、この開発過程での種々の試行錯誤を、GUI デモをおりまぜながら、説明します。
5.16:40−17:15 JAIST Video LAN - 実世界指向マルチメディアネットワーク -
○丹 康雄(北陸先端科学技術大学院大学)
概要:実世界指向マルチメディアネットワークの一形態として、JAIST Video LANシステムのコンセプトとアーキテクチャについて述べる。
懇親会(19時頃より金沢市内にて)
【9月25日(金)】
一般セッションI
6. 9:20− 9:55 区分多項式素子からなる階層型神経回路網のVC次元
○櫻井 彰人(北陸先端科学技術大学院大学)
概要:汎化能力の指標であるVC次元のタイトな上界・下界を標記の神経回路網について求めたので報告する。
7. 9:55−10:30 有限状態遷移の論理
○藤波 努(北陸先端科学技術大学院大学)
概要:有限状態の遷移は線型論理の部分系で記述可能であり、またその系は決定的であることを示す。
8.10:30−11:05 知識獲得のためのRipple Down Rules法におけるデフォルト知識に関する考察
○和田卓也,堀内 匡,元田 浩,鷲尾 隆(大阪大学)
概要:知識獲得・知識ベース管理の一手法であるRipple Down Rules法において,最初に与えるデフォルト知識の違いが知識獲得の速さやノイズに対する耐性などに与える影響について考察する.
9.11:05−11:40 知識の類似性を利用した概略推論法
○Nguyen Viet Ha,石川 勉(拓殖大学),阿部 明典 (NTTコミュニケーション科学研究所)
概要:問題解決システムにおいて、知識が不完全な場合でも、類似の知識を用いて概略的な解を導く推論法の提案。
昼食休憩(50分)
10.12:30−13:05 コミュニティにおける連想表現を用いた自己開示と知識共有
◯平田高志(奈良先端科学技術大学院大学),前田晴美(大阪市立大学),西田豊明(奈良先端科学技術大学院大学)
概要:コミュニティの知識共有を促進するために、個人の知識を連想表現により外化し開示するシステムを提案する。
11.13:05−13:40 クラス生成を含む例からの帰納学習に関する認知科学的実験
○清水 健太郎,鈴木 英之進(横浜国立大学)
概要:人間の知識発見過程に基づく教師つき学習と教師なし学習の統合を考え、そのための認知科学的実験を行った。
12.13:40−14:15 好みに基づく分散ATMSを用いたグループスケジュール管理システムについて
○伊藤孝行,新谷虎松(名古屋工業大学)
概要:本論文ではユーザの好みを反映した分散ATMSを用いたグループスケジュール管理システムについて述べる.